河上氏は、所属する農林水産委員会と消費者問題特別委員会にもそれぞれ1日しか出席していなかった。
衆院事務局によると、河上氏は4月6日の衆院本会議に出席後、4月8日〜5月31日に開かれた計14回の本会議をすべて欠席。農林水産委は4〜5月に計10回開かれたが、出席は4月6日だけ。4月に2回開かれた消費者問題特別委も1日しか出席していなかった。
4〜5月に河上氏に支払われた歳費(月129万7千円)と文書通信交通滞在費(月100万円)は計約460万円。参院選出馬に伴い月内に辞職したとしても、6月分の歳費と文書通信費計約230万円と6月末支給の期末手当(ボーナス)272万6942円は満額が支給されるという。
衆院議員は本会議時の登院が義務付けられている。欠席の場合には理由を付けた届を議長に提出することになっている。河上氏は欠席した14日間、横路孝弘衆院議長あてに欠席届を提出し、横路議長もこれを受理していた。
衆院事務局は欠席届に河上氏が記載した「理由」を明らかにしていないが、欠席理由には、病気やけがのほか「所用」なども認められるという。
河上氏のブログなどによると、河上氏は4月2日に民主党の公認を受けた後、遊説などを開始。殺人罪の公訴時効の廃止などを盛った刑事訴訟法の改正案を衆院本会議で可決した4月27日には、京都市北区でビラを配布。口蹄(こうてい)疫対策特別措置法案を農林水産委が可決した5月26日には、同市伏見区で高齢者から戦争体験の話を聞いていた。
河上氏は元全日空の客室乗務員で、昨夏の衆院選の近畿比例(名簿49位)で初当選。今夏の参院選の京都選挙区(定数2)から2人目の公認候補としてくら替えでの出馬が決まった。
産経新聞は河上氏側に取材を申し込んだが、9日夜までに回答がなかった。
■政治倫理に詳しい近畿大法学部、石田榮仁郎教授(公法学)の話「国民の期待を裏切る行為で、選挙優先、国会軽視の民主党の姿勢がよく分かる。本来の仕事をせずに給与をもらって平然としていられるのは国会議員だけで、民間なら考えられない。歳費の返還請求訴訟をしてもいいレベルだ。鳩山由紀夫前首相がガンジーの言葉を引用し、大罪として挙げた『労働なき富』とはまさにこのことだろう」
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